ピエゾセラミックコンポジットは、ピエゾセラミック部品と充填ポリマーが組み合わされたもので、両材料の利点が得られます。 コンポジットは、広く知られているオールセラミック部品の代替品となります。 ポリマーを使用したこの部品は、特定の形状に対する適応性に優れるだけでなく、オールセラミック部品と比較して多くの利点があります。 コンポジットには、音響インピーダンスが異なる周囲の媒体に容易に適応できるという特徴があります。 このため、例えば高密度焦点式超音波(HIFU)アプリケーションや画像診断などの幅広い>> 医療技術分野、あるいは流量計測や非破壊測定などの>> 産業用途にも応用することが可能です。 コンポジットにより、超音波感度と分解能を向上させることができます。
コンポジットの仕様
PI Ceramic社のコンポジットは、ダイス&フィル法を使用して1-3配列の個々のピンに切断することで製造されます。 寸法と>> 材料は、お客様がご要望する>> ピエゾセラミックコンポーネントに合わせて選択でき、コンポジットとして製造できます。 充填ポリマーには、硬質コンポジットの場合はエポキシ樹脂が、軟質コンポジットの場合はポリウレタンが選ばれます。 PI Ceramic社のコンポジットは現在プロトタイプ段階にあります。
ピエゾコンポジットはd33効果を利用したもので、ポリマー充填によってラジアル方向の変位が制限されるのが特徴です。 これは、低結合の厚さ共振器につながります。 コンポジットのピン寸法によってキャパシタンス(C)が左右されます。 動作原理は、オールセラミックスで同じ設計の部品に対応します。
共振周波数(厚さ)f [kHz] | 厚さ TH (mm) | ピン寸法 PIN (mm) | ピエゾセラミックの体積率 (%) | 共振インピーダンス I (Ω) | 静電容量 C* (nF) | 誘電損失 tan δ (x10-3) | 結合係数 keff (%) |
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400 | 4.0 | 1.0 x 1.0 | 83 | <30 | 1.6 | <20 | >55 |
600 | 2.6 | 0.5 x 0.5 | 69 | <15 | 2.1 | <20 | >60 |
1500 | 1.1 | 0.4 x 0.4 | 69 | <5 | 5.0 | <20 | >55 |
2000 | 0.7 | 0.3 x 0.3 | 64 | <3 | 6.5 | <20 | >55 |
外径 25mm × 厚さ1.1 mm、ピン寸法0.4×0.4 mm、体積率69%のピエゾ材料PIC255製の1-3型エポキシ樹脂コンポジット円板と、外径25 mm × 厚さ1.4 mmのピエゾ材料PIC255製ピエゾ円板のインピーダンス曲線例
要望に応じたカスタマイズバージョン
PI Ceramic社は、適切な材料の選定から、希望する仕様や用途に応じたコンポジットの開発および製造に至るまで、深い専門知識を有しています。 ピエゾ部品に応じてコンポジットを選定できるだけでなく、以下のパラメータをカスタマイズすることができます。
- 材料
- 構造
- ピンのレイアウト
- 電極
電極とコンポジットの接点
電極は、スパッタリング工程にて、完成したコンポジットに形成されます。 銅ニッケル(CuNi)に加えて、金(Au)などの他の化合物も使用できます。 たとえば、広帯域用途向けの全面電極や、個別電極なども製造可能です。 接点が必要な場合は、標準ワイヤまたはフレキシブルプリント基板(PCB)をコンポジットに接着します。